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病院組織に「生気」を取り戻すにはどうすればよいのか?/組織開発のアプローチ

  • 業種 病院・診療所・歯科
  • 種別 ホワイトペーパー

長引く新型コロナウイルス感染症の影響で、全国の医療機関は看護部を中心に人員調整難に陥り、現場職員の肉体的、精神的ストレスは増すばかりです。終わりが見えない状況の中で、職員の意欲、組織全体の士気を高めるためにはどうすればよいのでしょうか?

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環境変化の波に飲み込まれず、力強くしなやかに動き続けていくための組織づくりについて、最新の理論と事例をもとにまとめています。

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病院の現場でおきていること

まずおさえておかなければならないのは、新型コロナウイルス感染症による現場職員の精神疲労は、今後も当面続いていくことです。2年前から、現場職員は何度も「またか」を体験しています。繰り返される波に、職員の内面は、燃え尽き症候群のような状態になってしまってもおかしくありません。長期間の疲労は、確実に一人ひとりの内面に蓄積されています。

そして、この状態に最も苦悩しているのは、部長、副部長・次長、師長・課長などの管理職です。現場を回していくために、誰よりも責任意識を持って、日々頭、心、身体を動かし続けています。本人が感染者・濃厚接触者となった場合も気を休めることができていないでしょう。

管理職の緊張が解けず、不安・ストレスを抱え続けている状態は、周囲に対する関与や、業務の判断力や指示に影響を及ぼすことになります。つまり、管理職が本来持っている力を発揮できなり、それが職場全体の士気や生産性を落とす原因となり、悪循環サイクルに陥ってしまうということです。

このような難しい状況を抜け出すためには、何がポイントになるのでしょうか?

組織の士気を高めるには何がポイントになるか?

その唯一と言ってもよい解は、「人と人との触れあいを大切にする」ことです。

今回の新型コロナウイルス感染症の出来事は、医療従事者の記憶に永遠に残っていくものになるでしょう。だからこそ大切にしなければならないことは、この苦難が続いている時期に、病院が職員に対してどのような態度を示すか、となります。疲労による緊張とストレスが蓄積する中で、組織やリーダーが職員に温かいまなざしを向け、それを言動に示していくことは、職員の傷ついた気持ちを癒し、組織や仲間に対する信頼を深める大きな体験になり、心と記憶に刻まれることにもなります。

現在、医療機関は一つの岐路に立たされていると考えられます。それは、職員に選ばれる組織になるか、否かという点です。前者を選択するのであれば、ポイントになるのは、職員の精神の痛みを気遣い、仲間としてともに働いてくれていることへの感謝を示していくことでしょう。それをトップから管理職へ、管理職から現場へ、職員間、職種間と、組織のあらゆる場で、思いやり溢れる意思疎通を拡げていくことが重要となります。「仲間を思いやる」という新しい風土を根付かせていくのです。

組織を支えている土台

私たちが関与している多くの医療機関では、「組織開発」という手法を取り入れながら、組織風土を高める活動を始められています。端的にいえば、組織の影響力者が集い、信頼関係を育み、ビジョンを明らかにした上で、新たな活動をおこし、組織全体に新しい風を吹かせていくものです。トップや幹部が中心となって、職員に温かさと情熱ある態度で職員に積極的に関与していくのです。組織を支えている土台は、「職員の意識」と「関係の質」です。ここが崩れてしまうと、あらゆる活動の生産性が低下してしまうことになります。終息状況が見えず、ピリピリした状況にあるからこそ、さらには交流の機会が持ちづらい状況にあるからこそ、病院は、いま何を意思決定し、どのように現場に踏み込んでいくかが問われています。

「思いやりのある言葉」と「触れ合いという行為」は、困難な状況を切り拓くための鍵となります。組織がバラバラにならぬよう、傷を残さぬよう、組織内での言葉と行為を改め、それを習慣化して組織に根付かせてみてください。

それは、未来への希望の種となり、生き生きとした組織を創造することへとつながってきます。

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組織開発というアプローチ

本稿の執筆者

江畑直樹(えばた なおき)
株式会社ミライバ 取締役

2003年日本経営入社。主に医療機関、福祉施設の組織創りや幹部・管理職・監督職の研修に従事。2018年に株式会社ミライバを設立し、組織開発コンサルティングや人材開発研修の支援を行う。成人発達理論、学習する組織、U理論、インテグラル理論、NVC等の理論をベースとし、首都大学東京専門職大学院や日本社会事業大学専門職大学院では、これら理論を軸とした組織創りやサービス開発等について看護管理者、福祉管理者を対象に授業を行う。

株式会社ミライバ/株式会社日本経営

本稿は掲載時点の情報に基づき、一般的なコメントを述べたものです。実際の経営の判断は個別具体的に検討する必要がありますので、専門家にご相談の上ご判断ください。本稿をもとに意思決定され、直接又は間接に損害を蒙られたとしても、一切の責任は負いかねます。

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